一般社団法人王寺まちづくり

【開催報告】「戦国武将トークバトル」松永久秀VS筒井順慶 大盛況で終わりました。


2021年10月9日(土)13時30分から15時3o分まで達磨寺方丈で「戦国武将バトル『松永久秀VS筒井順慶』」が開催されました。

このイベントには、天理大学の天野忠幸准教授、幡鎌一弘教授がそれぞれ、松永久秀と筒井順慶を語っていただきました。

謎の多い戦国時代の大和の権力闘争ですが、先生方のたくさんの資料をもとにした解説により、人間味あふれる二人の姿が浮かび上がってきました。

天理大学 天野忠幸准教授

天理大学 幡鎌一弘教授

「松永久秀」と「筒井順慶」対象的な生い立ち

NHK連続ドラマ「麒麟がくる」で吉田鋼太郎が熱演していた「松永久秀」。大和の地の守護を筒井順慶に取られたことから織田信長に反旗を翻したと描かれています。

天野先生からは、「松永久秀」という人物がいつから世に現れたのか、推察できる資料をもとに解説。実は、30歳より前のことはわからないそうです。戦国時代で人手が足りなくなった四国の大名が広く人を採用をしたときに武士の世界に入ったのではないかと言われています。

その中で才覚をあわらし、一国一城を持つまで出世したのは、豊臣秀吉と同じ立身出世の物語は、人を引きつけるものがあります。

 

一方、幡鎌一弘教授が推す「筒井順慶」は、大和の筒井城(今の大和郡山市あたり)の城主として、代々この地を守ってきた家柄。ただし、順慶が1歳にならないうちに父親が死に、家督をつぐことに。叔父に実権を握られた中で、育っていきました。10歳のころに50歳の松永久秀と出会い、その頃は、久秀が順慶をかわいがっていたという記述もあるようです。

しっかりした家系の出ながら、苦労をした筒井順慶、出生さえわからない才覚だけでのし上がってきた松永久秀。対象的な二人が大和の地を争うことになります。

戦国時代だからこその魅力「松永久秀」

松永久秀は、出生が謎とされています。畿内及び四国の一部を統一していた三好長慶(ながよし)に使えたのが始まりとされています。細川家の実験を握っていた三好長慶は、勢力を拡大していきます。それにともない、人材を採用した中に松永久秀はいたと言われています。

三好長慶が京都を支配するようになると、久秀は公家や寺社との交渉役を任されるようになります。寺社や公家との交渉には、それなりの礼儀作法や教養が必要となります。久秀は、それを持ち合わせていたのだということになります。出生が謎ですが、後天的に礼儀作法や教養を身に着けていったのであれば、相当な努力家だったいえます。

敵も多かったはずです。特に後年は、主君である三好家を乗っ取り、大和の国での支配力を強めていきます。将軍足利義輝の暗殺を裏で手を引いていた、奈良の大仏を焼いたなど普通の人ではやり得ない伝説が残っています。

そして、立身出世の波乱万丈な物語はいつの世でも魅力的に語られていきます。

達磨寺方丈は、時代の求める「発信基地」

達磨寺には、その松永久秀の墓があります。織田信長に追い詰められた松永久秀は、達磨寺から車で30分のところにある信貴山の城で自害をし、その亡骸を筒井家の家臣が達磨寺に葬ったとされています。

筒井順慶は、信長の命を受けて松永久秀の討伐を行い、自害をさせます。

幼少の頃の思い出がよかったから達磨寺に亡骸を埋めたのかもしれませんね。

達磨寺は、禅寺であり、禅の教えの中にある「如意」は意の如くと、思いのままになることを言うそうですが「如意」の「意」は我欲のことではなく、自他の境界と距離を超えた森羅万象に共通するほとけの心のことを指しているそうです。

自分とは違う相手を許し認め、自分とひとつとする「不生不滅・不垢不浄・不増不減」の空の価値観が、筒井順慶が敵対した松永久秀を達磨寺に葬ったということの意味のように感じます。

天理大学の天野先生によると、達磨寺の方丈が建ったのは、徳川幕府になって戦乱が落ち着き、町民文化が花開く頃のこと。民衆が中心となって世の中を盛り上げようと活気づいた頃のことだそうです。

上田王寺町町長は、令和の時代に建て替えが終わり、『達磨寺方丈ファンクラブ』が立ち上がった事に触れ、時代の流れがいよいよ一人一人の輝く活躍によって花開くことになってきて、この達磨寺を中心にコミュニティとしての広がりを期待していると話されました。また、達磨寺の日野住職は、松永久秀の法要が10月10日に控え、たくさんの方に関心を持ってもらえ、盛会に開催されたことを嬉しく思うと話されました。

内容:「戦国武将トークバトル」松永久秀VS筒井順慶

開催日時:2021年10月9日(土)13:30〜15:30

開催場所:達磨寺方丈内

参加費:1500円 オンライン参加700円

※オンライン参加の方は、10月23日まで視聴可能 22日まで申込み可能です。

申込み先:https://twitcasting.tv/c:narahon/shopcart/92033

 

達磨寺方丈ファンクラブとは

『達磨寺方丈ファンクラブ』とは、王寺町や王寺町にある達磨寺を一緒に盛り上げたい人、寺社や文化財が好きな人が集まり、奈良県指定文化財の達磨寺「方丈」の活用を目指したクラブです。 この達磨寺の「方丈」は、江戸時代(1667年)に建立され、「達磨寺方丈修復プロジェクト」として、クラウドファンティングや奈良県王寺町のふるさと寄付金により、2020年12月に大規模な補修工事を行いました。この素晴らしい「方丈」を智と文化発信の場として未来に残していくために『達磨寺方丈ファンクラブ会員』を募集します。

達磨寺方丈ファンクラブ 入会のご案内

達磨寺方丈ファンクラブで、動き出したプロジェクト

○「達磨寺講座」イベントが決定しました。ファンクラブメンバーは無料で参加できます。

11月15日(月)10:00〜12:00 お寺でヨガ体験 講師:大庭 千紘 https://www.oji-miracle100.net/hojoevent/20211115/

12月10日(金)10:00〜12:00 ファンクラブミーティング

2022年1月31日(月)10:00〜12:00 節分の意味と歴史 講師:日比野 典子 https://www.oji-miracle100.net/hojoevent/20220131/

2月7日(月)10:00〜12:00 日本の古典色 講師:植田 幸代 https://www.oji-miracle100.net/hojoevent/20220221/

○「マルシェ」開催チーム

11月のマルシェ開催に向けて企画と運営を行います。

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奈良県北葛城郡王寺町の達磨寺を中心に地域を盛り上げる活動をしています。方丈ファンクラブは奈良県文化財の「方丈」を使ってイベントや講座などを企画してくれる人を募集しています。

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